60Hz地区から50Hz地区へ引越することになりました。レシプロ式エアーコンプレッサーですが、使用出来ますか?

60Hz地域から50Hz地域へ引っ越すことになり、現在使用中のエアーコンプレッサーが正常に稼働するのか否かついて知りたい方へ

エアーコンプレッサーは周波数が変わることにより、どのような変化が起こるのか。また、対策などあれば知りたい。出来れば安価に、そして“安全”にエアーコンプレッサーの移設を行いたいと考えていませんか?

本記事では、下記の内容を解説します。(2020年8月22日更新)

私はコンプレッサーの修理屋です。福岡県を拠点に日々修理やメンテナンス、オーバーホールをしています。

・どうして日本国内に60Hzと50Hz地域が存在するの?

日本の電源周波数は、富士川(静岡県)と糸魚川(新潟県)を境に東側は50Hz=ヘルツ、西側が60Hz=ヘルツとなっていて、世界でも珍しい国だそうです。

明治時代に入り、日本で電気が使われるようになりましたが、当時の日本では、電気をつくるための発電機を、外国から輸入しなければいけませんでした。東京には「ドイツ製」の発電機(50Hz=ヘルツ)が、大阪には「アメリカ製」の発電機(60Hz=ヘルツ)がそれぞれ輸入されました。その後、東西の周波数は、そのまま全国に広がりました。

・そもそも60Hzと50Hz地域で何が違うの?

異なる周波数「50Hz」の電気と「60Hz」の電気。基本的には、どちらも“電気”です。

周波数は、1秒間に流れる電気が変化する回数のこと。電気は、波のように大きくなったり小さくなったりを繰り返します。その1秒間における波の数(大小でワンセット)が電源周波数です。周波数は「Hz(ヘルツ)」という単位で表されます。

周波数は、この1秒間に入れ替わる回数のことで、50Hzは1秒間に50回、60Hzは1秒間に60回変化することを表しています。

そして、エアーコンプレッサーは周波数を基準にして作られている部品があります。

思い浮かぶ部品としては、

・メーンモーター
・ファンモーター
・シロッコファンのサイズ
・ダクトサイズ

などです。

ここで注目するべきは、50Hzもしくは60Hzを基準として作られているエアーコンプレッサーを異なる周波数の地域で使用した場合、モーターの回転数が変わり、性能が低下したり、過剰に働いて火災の原因となったりすることです。また、消耗部品の劣化が早くなったり、コンプレッサー内部の換気効率が落ち、異常停止に繋がる可能性もあります。

もともと周波数に関係なく使用できる、「インバーター」搭載機は、モーターの周波数を適切に変えて回転数を調整するため、問題なく使用可能です。

・【質問】60Hz地域から50Hz地域へ工場を移転することになりました。エアーコンプレッサーの対策を知りたいです。

質問:仕事の都合で、60ヘルツ地区から50ヘルツ地区に行くことになりました。
それに伴い、コンプレッサーを移動させるのですが、60ヘルツから50ヘルツになると約2割程コンプレッサーの能力が落ちるとの事をお聞きしまして、買い替え出来るほど余裕もなく、どうにかならないものかと思いメールした次第です。※分解、組立は出来ます。

このような内容のご質問を数か月前に頂戴いたしました。

ご使用のエアーコンプレッサーは、東芝トスコンと日立ベビコンで、空気タンクの上に圧縮機とモーターが搭載されている“レシプロ式エアーコンプレッサー”2台でした。

質問の中でも、『約2割程コンプレッサーの能力が落ちる』とあります。

単純計算ですが、60Hzの製品を50Hzへ移動する場合、モーターの回転数が約17%ダウンします。モーターの回転数が落ちれば、圧縮機本体の回転数も落ちるため、吐出空気量も少なくなります。

反対に50Hzのエアーコンプレッサーを60Hz地帯へ移動させて使用した場合、圧縮機本体も50Hz地域で設置する場合よりも、よく多く回転するため吐出空気量は増加します。

50Hzのエアーコンプレッサーを、60Hz地域へ移動する場合は、問題なさそう或いは、メリットがあるように聞こえるかもしれませんが、メーカーの設計以上に圧縮機本体が回転すれば、劣化の速度が早くなったり、場合によっては火災の原因に繋がる可能性もあります。電磁接触器(マグネットスイッチ)や電磁弁、圧力スイッチはの消耗は著しく早くなります。

しかし現在のエアーコンプレッサーのモーターは、50Hz60Hz共用の製品を使用していますので、レシプロコンプレッサーの場合、モーター側のプーリーを変更いただければ、ご使用いただくことは可能です。ちなみに圧縮機本体側のプーリーは50Hz60Hz共用のものが多いように感じます。

今回の質問者様の場合は、モーター側のプーリー交換とベルトの交換で対応可能です。

実際に交換をされる場合は、誤った取付け方をしてしまうと、大事故に繋がり兼ねませんので、プロの修理屋さんへ相談されると良いかと思います。

・スクリューコンプレッサーの移設の場合はどうすればいいの?

先ほど記載したように、シロッコファンや内部のダクトの大きさ等が変わる為、異常停止に繋がる可能性が高いです。実際に問題なく使用している会社様もお見受けいたしますが、コンプレッサ修理屋の立場としては、“安全第一”です。

改造希望された場合でも、決して安価ではないと考えますので、エアーコンプレッサーの入替えを検討されることをお勧めいたします。

弊社では突発の修理から日頃のメンテナンスは勿論、新台エアーコンプレッサーの販売も行っています。小さな疑問やお悩みでも耳を傾けて参りますので、お気軽にご連絡ください。この度のブログを読んでいただき、誠にありがとうございました。

著者:有限会社大西エアーサービス 大西健

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